世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

食わず嫌いは良くないってわかってるけど。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

上巻を読み終わったところ。ナイン・ストーリーズ読み終わって、なぜか村上春樹さんのもの、やっぱり読まなきゃって思った。その時ね。
やっぱり音楽でも文学でも、その時々のものに触れるのが正しいのかな。どうも流れから遅れて手にすることが多い。で、初村上春樹。読み始めはいつだったか。今年の2月末当たりだ。
すらすら読めていたかと思うと、はたと止まって考え込んでしまう。そのまましばらく読めなかったり、何ページもさかのぼって読み返したりする。読書感想文。皆の、奥深い読みや、鋭い視点、また文章力も自分のそれとは比較できず、友人や人のを読んでは、感心したものだったな。
読み始めた数日間と今ではかなり印象が違う。主人公の彼に共感できないと思ってしまった、あの時読むのを止めていなくて本当によかった。下巻もあるのだから、余計なことを考えるのは止めよう。楽しみだ。
不思議な世界。でも手に取れるように近く、現実的。細かい景色や心情、目線の描写は、どっぷりと浸かってしまう自分にはうってつけ、はまりまくりだった。感情も身も移入可。途中で感じたことも、そのまま、ピンクの女の子がしゃべりだした。きっとこの感覚が皆が読みたくなる所以なのかな。
読んでいるのは人間が作り出した記号じゃないんだな。しまってあったウィスキーをやたらと飲んでみたり。影響されやすい。